プレイバック東海公営~名古屋優駿への道1997年

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★ 東海ダービー~名古屋優駿への道
 毎年、中央へとチャレンジスピリットが旺盛な笠松。夢叶わずのケースの方が多いのだけれど、時には先日、引退したライデンリーダー(父ワカオライデン、母ヒカリリーダー)や、オグリキャップ(父ダンシングキャップ、母ホワイトナルビー)、オグリローマン(父ブレイヴェストローマン)の兄妹のように、華、開くこともある。
シンボリックな存在のオグリキャップとワカオライデン。
 オグリキャップの鷲見調教師。いうまでもなく、この一族への想いはひとしお。「オグリローマンにオグリキャップをつけられないのが残念」と冗談とも本音ともつかぬ言葉が出てくる。昨年の春のこと。中央へチャレンジするオグリキャップ産駒のオグリエンゼルの取材をしている時のこと。当のエンゼルよりも、師から出てくる話は別の馬のこと。ホワイトナルビーの最後の子供。後にオグリプロテクター(牡、父ヘクタープロテクター)と名付けられる牡馬。「来年はダービーも天皇賞も勝つゾ」と。ラッパといわれようが、話は夢は大きい方が威勢がいい。
 まだ、3歳戦が始まる前。荒川調教師に今年の期待馬を聞いてみた。「ウチのは全部走る」と威勢がいい。もちろん、主戦力はワカオライデン軍団。なかでも、この時点で期待が高かったのがミリオンチャーム(牝、父ワカオライデン、母シュンレイカ)。ダイオライト記念を勝ったアクアライデンの全妹だ。
 6月5日、笠松競馬場で今年、初めての3歳戦(800m)が2レース組まれた。その最初のレースを勝ったのが鷲見厩舎のオグリプロテクター。勝ち時計は50秒1。くしくも、これはオグリキャップのデビュー戦と同タイムだった。ただ、残念ながらこのあと、蕁麻疹や夏負けでレースから遠ざかることになってしまった。
 もうひとつのレースを勝ったのが、荒川厩舎のシンプウライデン(牡、父ワカオライデン、母キタノティアラ)。勝ち時計は49秒5で9馬身差の圧勝だった。ただ、妙にまとまりすぎているというか、フットワークも硬めで、追ってビュンと伸びる感じがない。この時点ではそれほど大物感は感じられなかった。
 8月28日、笠松競馬場で行われたのが第26回秋風ジュニア。重賞レースではないが、笠松の3歳馬にとって、初めての1400m。ひとつの試金石になるレース。圧倒的な1番人気に推されたシンプウライデンが、名古屋からただ1頭、参戦してきたホワイトチケット(牡、父エルセニョール、母ワールドマドンナ)に5馬身差をつけて逃げ切った。これで、デビュー以来の連勝を「4」に伸ばした。

★秋風ジュニア(3歳オープン、別定、8頭、ダ1400、不良)
1着 シンプウライデン  54 安藤勝 1.31.4
2着 ホワイトチケット  54 藤 原   5
3着 カブトオーカン   54 濱 口   4
4着 タカノハヒバリ   53 田 口   頭
5着 タツミカイウン   54 安藤光   5
6着 ステージドアレディ 53 東 川   6
7着 サンダーソロン   53 椿 山   6
8着 ビッグレター    54 川 原   3

 9月23日、名古屋競馬場で行われたのが第37回中京盃(G2)。弥富トレセンから輸送するのが名古屋競馬。一方、笠松は競馬場エリアに厩舎がある。中央へチャレンジ、あるいは4歳春の駿蹄賞、名古屋優駿を目標にする笠松の馬にとっては、「輸送」という課題に挑む場でもある。
 笠松から参戦してきたのが、中央のデイリー杯3歳Sが視界に入っているシンプウライデン。「ワカオライデン産駒にしては珍しく素直な気性(安藤勝騎手)」というように、特に輸送による影響はみられず、相変わらずの器用なレースぶりで連勝を「5」に伸ばした。ただ、追ってからの味のなさは相変わらずだ。2着のダイリーガー(牡、父ドロッポロード、母マルイチローズ)の吉田稔騎手は「ささるからまともに追えなかった」と。この兼ね合いを踏まえても、物足りない勝ちっぷりだった。

★中京盃(G2、3歳オープン、別定、11頭、ダ1400、良)
1着 シンプウライデン  54 安藤勝 1.31.3
2着 ダイリーガー    54 吉田稔   3
3着 ホワイトチケット  54 藤 原  11/2
4着 エーコーホルダー  54 荒 巻   1/2
5着 ゲッティングベター 54 望 月  11/2
6着 セイエイワントップ 54 圓 田   2
7着 ナリタナイン    54 小 山   3/4
8着 アサミシンゲキ   54 河 端   2
9着 ケイアラシ     54 平 田   4
10着 ワイドキリコ    53 吉 本   鼻
11着 ヒデノパレード   54 戸 部   首

 10月2日、笠松競馬場では第24回ジュニアクラウン(G2)が行われた。1番人気に推されていたのがルイボステイオー(牡、父スリルショー、母イチヨシロマン)。7月のデビュー戦(800m)を49秒5で1着。9月にもうひとつ勝ち鞍をあげての参戦。柔軟性に富んだ重心の低いフォームは、追ってからの斬れを生み出す。結果は2着に敗れてしまったが、出遅れてなおかつスタート直後に他馬と接触。それでも、闘争心を失わずに向正あたりで一気に先団にとりついていくという負荷が一杯のレースだった。資質の高さは示した。
 勝ったのはラッキーチェイサー(牡、父ラッキーキャスト、母シエリトリンド)。先行押し切り。ラッキーキャストといえば東海公営には全日本サラブレッドカップ、東海桜花賞等を勝ったタイプスワローがいる。あの馬を彷彿させるような平均ペース型の先行馬。距離が延びてさらに持ち味発揮と思えたのだが・・・。残念ながら骨折で、戦線を離脱することになってしまった。

★ジュニアクラウン(G2、3歳オープン、別定、10頭、稍重)
1着 ラッキーチェイサー 54 坂 井 1.30.7
2着 ルイボステイオー  54 横 山   首 
3着 カブトオーカン   54 濱 口  11/2
4着 タツミカイウン   54 田 辺   4
5着 ステージドアレディ 53 東 川  11/2
6着 ワイエスシャレード 54 安藤光   3
7着 マルタカラビアン  54 吉田一   3
8着 メイホウワッスル  54 仙 道   6
9着 ルイボスレディー  53 村 井   3
10着 ハートシーズ    53 椿 山   大

 10月23日、荒川・ワカオライデン軍団の一角が衝撃のデビューを飾った。トミケンライデン(牡、父ワカオライデン、母アイモール)。800mで勝ち時計が49秒1。ダイナミックなフットワークで大物感を感じさせた。

12月4日、名古屋競馬場で第35回ゴールドウィング賞(G1)が行われた。シンプウライデンが好位から抜け出して、危なげなく押し切った。ただ、追われてから変化のないフォームには、相変わらずの物足りなさが残った。2着には名古屋のエーコーホルダー(牡、父ノーザンテンペスト、母エーコーアゲン)。中京盃での1秒1差を0秒5差にまで詰めてきた。「うまく外に出せていたら、もっと際どかったかも」と吉田稔騎手。3着にはセントジョージ(牡、父ミナガワビクトリー、母ワイルドトップ)。3戦2勝、重賞レースには初挑戦だった。シンプウライデンの成長度に疑問符を投げかけられる結果に思えた。ただ、シンプウライデンは中央のデイリー杯3歳Sに挑戦(7着)した直後のレース。割り引きを考慮していい臨戦過程ではあった。
 ところで、このレースの直後、「どれが一番?」と安藤勝騎手に尋ねてみた。この時点でトミケンライデンは3戦3勝。11月26日、ミリオンチャームが待望のデビュー。800mを49秒5。約10馬身差の圧勝劇を演じていた。「スケールではトミケンライデンかな。でも、ひょっとしたら牝馬が一番かもしれない」と、すでに重賞2勝の馬をさしおいて、僅かキャリア1戦の馬の名が上がろうとは・・・。たぶん、アンカツも私と同じようなシンプウライデンに対しての物足りなさを感じていたのだろう。

★ゴールドウィング賞(G1、3歳オープン、別定、12頭、稍重)
1着 シンプウライデン  54 安藤勝 1.29.3
2着 エーコーホルダー  54 吉田稔   21/2
3着 セントジョージ   54 児 島    1/2
4着 ホワイトチケット  54 安 部   21/2
5着 ゲッティングベター 54 内 沢   11/2
6着 センリガン     54 小 瀬    2
7着 マルイチテンドウ  54 荒 巻    1/2
8着 ライブリサターン  54 宇 都    鼻
9着 セイエイツートップ 54 原 口    2
10着 ベストハナコ    53 井手上    5
11着 アイランドファニー 54 岡 部   11/2
12着 ミエノファイト   54 加藤明    5

 12月29日、笠松競馬場で第21回ジュニアグランプリ(G1)が行われた。いわば3歳王者決定戦。昨年までは正月早々に名古屋で行われていた新春ジュニア(G3)が廃止。これによって、名古屋のこの時点でのトップ、エーコーホルダーも参戦。より『決定戦』という趣が強くなった。また、おおむね全馬が初めての1600mになる。距離への適応力等、先々を占う意味合いも強い。
 中央挑戦以外はすべて1番人気に推されていたシンプウライデンが、初めてその座を譲った。1番人気はトミケンライデン。この時点で4戦4勝。前走ではルイボステイオーに5馬身差をつけていた。
 逃げるトミケンライデンをシンプウライデンがぴったりとマークする展開。確かに楽ではなかった。それでも、なおかつ振り切ってほしかったのだが・・・。残念ながら4角で息切れ。シンプウライデンがルイボステイオー、エーコーホルダーの追撃を何とか振り切って、重賞3勝、地元では7戦全勝で3歳戦を終えた。ただ、相変わらず凄みは感じられない。エーコーホルダーあたりに、徐々に着差を詰められてきているのも不満に思えた。
 トミケンライデンの惨敗は残念だったが、「厳しさを経験して強くなっていく」と荒川師。再対決の場は約1ケ月後のゴールドジュニア(G3)。皐月賞トライアル挑戦者決定戦として行われるレース。舞台に不足はない。

★ジュニアグランプリ(3歳オープン、別定、10頭、ダ1600、良)
1着 シンプウライデン  54 安藤勝 1.43.2
2着 ルイボステイオー  54 坂口重   頭
3着 エーコーホルダー  54 川 原   首
4着 トミケンライデン  54 安藤光   4
5着 ウミセンヤマセン  54 青 木   5
6着 タツミカイウン   54 田 辺   1/2
7着 カブトオーカン   54 濱 口   4
8着 ミストップガン   53 横 山   2
9着 ミルジヨイナー   53 小 森   3
10着 タツミマウンテン  54 仙 道   4

 さあ年明けて、1月26日、笠松競馬場で第21回ゴールドジュニア(G3)が行われた。東海・金沢地区の皐月賞トライアルの出走権がかかったレース。シンプウ、トミケンの再対決に、名古屋からもエーコーホルダー、セントジョージ、ダイリーガーの3頭が出走してきた。金沢からもダイケイコスモスが遠征してきた。将来性や大物感とは別に、芝適性をもっとも感じていたのがルイボステイオーだったが、どうも体質に弱さ。追いきると体調不安、こんなパターンの繰り返しで残念ながらここに出走することはできなかった。
 少しずつではあるけれど、着差を詰めつつある名古屋のエーコーホルダー。一角崩し、あるいは逆転も、という期待はあったのだが・・・。ハナを切るトミケンライデン、好位にシンプウライデン。時には馬体を並べての併走。終始、マッチレースという様相。この両馬が並んで走る姿、対比もおもしろい。体を大きく使うトミケン、ピッチで走るシンプウ。「やはりスケールの大きさは前者」、そんな思いでみていた。ジュニアグランプリでは息切れしてしまったトミケンライデンだが、『厳しさ』が早くも糧になったか、今日は直線に向いても脚いろに衰えはない。シンプウライデンが直線でささるシーン、本質的に追って味があるタイプではないという側面はあったが、最後、2馬身突き放す完勝だった。この時点での資質の評価は固定。期待感がもてる馬が権利を得てくれた。ただ、ある種の誤算、これまで中央に挑戦した馬とは違う過程でいかざるをえぬ状況があった。以前は中京盃が中京の芝1200で行われていた。それが、諸事情によりしばらく中京開催が行われるムードはない。芝の適性、あるいは経験。また、輸送競馬の経験。この過程を踏めぬままの挑戦になってしまう。で、実際にスプリングSはこういった不確定要素の不安点がすべて吹き出してしまった感じだった。

★ゴールドジュニア(G3、4歳オープン、別定、9頭、ダ1600、稍重)
1着 トミケンライデン  54 安藤光 1.43.4
2着 シンプウライデン  54 安藤勝   2
3着 エーコーホルダー  54 吉田稔   3
4着 ダイリーガー    54 内 沢   5
5着 セントジョージ   54 児 島   21/2
6着 カブトオーカン   54 田 辺   21/2
7着 ウミセンヤマセン  54 青 木   11/2
8着 ダイケイコスモス  54 中 川   3
9着 カネミロッキー   54 仙 道   首

 2月2日、名古屋では第6回東海クィーンカップ(G3)が行われた。こちらは、桜花賞トライアルの出走権がかかったレース。ここに歩を進めてきたのがミリオンチャーム。相手がどうこうというレベルではない。力が抜けている。中央を見据えての勝ち方が問われるレースだった。
 逃げて5馬身差の完勝。ただ、1分46秒2の勝ち時計は極めて平凡。ペースが遅かったから。あるいは初めての輸送競馬で、馬運車に乗るまでに気をつかって時間を要した。こういった弁明の余地を踏まえても物足りなさを感じた。そして、何よりも公営競馬の悲哀。層の薄いなかで力が抜けてしまうと、厳しさを経験せぬままにハイレベルのメンバーに挑戦という形になってしまう。公営から中央に挑戦。そして、惨敗。短絡的に能力差を問われがちだが、それ以前の過程にある種、宿命ともいえる問題を抱えてしまっている。

★東海クィーンカップ(G3、4歳牝馬オープン、別定、11頭、ダ1600、良)
1着 ミリオンチャーム  53 安藤勝 1.46.2
2着 エバラクイン    53 藤 原   5
3着 シマノシンメイ   53 宮下康   頭
4着 ルイス       53 田 辺   3
5着 ナムラエマイユ   53 吉田稔   1/2
6着 ユーシードリーム  53 圓 田  11/2
7着 ミルジヨイナー   53 小 森  11/2
8着 ミストップガン   53 横 山   5
9着 ハリワケクィーン  53 竹 下   2
10着 グレイキュウ    53 戸 部   鼻
11着 カイセイレディー  53 竹 地   3
出走取消 ベストハナコ

 3月5日、名古屋競馬場で第22回スプリングカップ(G2)が行われた。ほぼ、毎度のメンバーで、結果もいつもどおり。シンプウライデンの逃げ切り。重賞の常連エーコーホルダーが2着にきたが、3歳戦で詰めつつあった差がゴールドジュニアに続いて、また広がりつつある。エーコーホルダーの伸び悩みなのか、あるいはシンプウライデンの成長なのか・・・。
 ここで、少し気になったのが3着に突っ込んできたセイエイツートップ(牡、父ナグルスキー、母ビーチタワー)。4ケ月前のゴールドウィング賞では9着と、まったく圏外にいた馬だ。

★スプリングカップ(G2、4歳オープン、別定、12頭、ダ1600、良)
1着 シンプウライデン  54 安藤勝 1.43.6
2着 エーコーホルダー  54 吉田稔  21/2
3着 セイエイツートップ 54 圓 田  21/2
4着 ダイリーガー    54 内 沢   2
5着 ゲッティングベター 54 荒 井   首
6着 ホワイトチケット  54 安 部   1/2
7着 チップクン     54 竹 下   4
8着 スーパーハウツー  54 山 内   1/2
9着 シマノシンメイ   53 宮下康   首
10着 センリガン     54 米 山  21/2
11着 ライブリサターン  54 宇 都   首
12着 グレイキュウ    53 児 島   大

4月1日、笠松競馬場で第23回新緑賞が行われた。気がつけば王道を歩んでいるシンプウライデン。桜花賞トライアル帰りのミリオンチャーム。これに、久々にルイボステイオーが重賞に歩を進めてきた。ラッキーチェイサーも約5ケ月ぶりに戦列に復帰してきた。 果敢にラッキーチェイサーが先手を奪っていったが、やはりブランクの影響は大で、向正すぎあたりで早くも脱落。好位につけていたミリオンチャームの手応えも怪しくなる。ルイボステイオーが3角あたりでいい脚を使ったが、ほんの一瞬だけ。2番手から自然に抜け出す形になったシンプウライデンの楽勝かと思ったのだが・・・。中団から反応よく動いていったのがキヌガサキングオー(牡、父デュラブ、母フレンチラベンダー)。あとは最後までしっかりと伸びきって、シンプウライデンをも交わしてしまった。
 キヌガサキングオーは重賞も、1600mも初挑戦。常識的には厳しい条件だったが、4連勝中の勢いそのままで押し切ってしまった。もっとも、ただ単に勢い、あるいは一発大駆けという類(たぐい)ではない。4連勝の中身は好位、もしくは中団から速かろうが、遅かろうが、どんな流れでも自在に動いて末脚を繰り出すという、なかなか奥深さを感じさせるものだった。なお、デュラブ× Bold Ruler 系という組み合わせ、および Nasrullah

、My Babu のクロスをもつ点は、現時点でのデュラブのナンバーワン産駒シンコウウインディと共通していた。

★新緑賞(4歳オープン、クラス別定、10頭、ダ1600、稍重)
1着 キヌガサキングオー 54 仙 道 1.43.8
2着 シンプウライデン  56 安藤勝  11/2
3着 ミリオンチャーム  53 安藤光   6
4着 カブトオーカン   53 濱 口   3
5着 タカノハヒバリ   52 水野淳   1/2
6着 サンデーギャロップ 53  原   11/2
7着 トキノエルメス   53 村 井   1
8着 ルイボステイオー  54 横 山   1
9着 ルイス       53 田 辺  11/2
10着 ラッキーチェイサー 53 坂 井   頭

 5月2日、名古屋競馬場で駿蹄賞(SP1)が行われた。距離は1800mに延びた。中央流に置き換えるなら、G1第一弾、皐月賞といったところか。名古屋優駿・東海ダービーが指定交流レースになって点を踏まえると、もっと意義は大きい。その代表者決定戦、東海ナンバーワン決定戦という意味合いも感じる。そして、現実に新緑賞に皐月賞トライアル帰りのトミケンライデン、名古屋勢を加えた現状のトップグループが、ほぼ揃い踏みという好メンバーになった。名古屋コースに、輸送競馬に対してすでに明確な答えを出しているシンプウライデンに、安定感で一日の長があるといったところか。
 トミケンライデンを先頭にミリオンチャーム、シンプウライデンが先団を形成。結構、速い流れだったが、珍しくシンプウライデンが掛かり気味。本来、これをみながら絶好の競馬になるはずだったキヌガサキングオーがなぜかこの先団グループに取りついていく。向正すぎあたりで、早くも手応えが怪しくなったのがミリオンチャームにトミケンライデン。続いてキヌガサキングオーも一杯一杯。シンプウライデンだけが、脚いろに衰えをみせず直線に向かっていく。ルイボステイオーが詰め寄って行くが、そこからもうひと伸びするほどの脚は残っていない。危なげなくシンプウライデンが押し切ってしまった。
展開に恵まれた面はあったが、3着に突っ込んできたセイエイツートップの伸び脚が目をひいた。

★駿蹄賞(SP1、4歳オープン、別定、11頭、ダ1800、良)
1着 シンプウライデン  55 安藤勝 1.57.1
2着 ルイボステイオー  55 坂口重  21/2
3着 セイエイツートップ 55 圓 田   3
4着 ダイリーガー    55 内 沢   3
5着 トミケンライデン  55 濱 口  11/2
6着 キヌガサキングオー 55 安藤光   1/2
7着 ゲッティングベター 55 安 部   首
8着 エーコーホルダー  55 吉田稔   2
9着 ミリオンチャーム  53 仙 道   1
10着 セントジョージ   55 児 島  11/2
11着 トップマン     55 井手上   6


 第27回名古屋優駿・東海ダービー(SP1、ダ1900)は、7月2日に名古屋競馬場で行われる。指定交流レースで統一グレード・G3。中央5頭以内、地方7頭以下という出走枠。2月に戦列に復帰してきて、5戦4勝としているオグリプロテクターあたりの動向も気になるところだが、出走枠と賞金の兼ね合いから、やはり駿蹄賞組が東海公営の主勢力となっていく。
 シンプウライデンには、おおむね辛口の評価しかしてこなかった。でも、もう見直す時期がきたのかもしれない。前に厳しかった駿蹄賞での完勝劇。それに、これまでは追われても同じような走りしかできなかったのが、最後、フォームに変化を見せての突き放しだ。「思いのほか、力をつけている」という声がもっぱらだ。
 トミケンライデンは結局、輸送競馬に答えを見いだせないままだ。駿蹄賞では初めてブリンカーを試みてみたが、気負いこみすぎる性格には変化はみられない。馬っぷりをみていて、やはり資質はシンプウライデン以上に思えるのだが・・・。
 ルイボステイオーはスリルショー産駒と思うと、どうしても早熟性に頭がいってしまう。また、一瞬の斬れが持ち味で、本質はマイラーかという思いが強い。たとえば、スローでヨーイドンという競馬にでもなれば侮れぬ面があるが、トミケンライデンのいるここで、そんな流れは期待薄だろう。
 キヌガサキングオーは大幅な変わり身があって驚けない。駿蹄賞のレース後、安藤光騎手は「勝己の外につけて勝ちに行く競馬。これまで、こんな競馬をしたことがなかったから最後は脚があがっちゃったけど」と。なぜ、あんな競馬をしたのか理解に苦しむ。『これまでしたことがない競馬』を試していい場だったのだろうか。ともあれ、連勝を続けてきた時のような、末を生かす、自身の正攻法からは外れた競馬。いわば、力関係の目安になる競馬ではなかった。
 地味ながら着々と力をつけてきているのがセイエイツートップだ。ナグルスキー× Buckfinder という血統は、Nijinsky × Buckpasser という好相性の組み合わせだ。さらに、Princequillo のクロスが派生する。ここへきての成長度は納得できるものだ。